連続ガス測定機器は、内燃機関排ガス、煙道排ガス、その他排気ガスや大気汚染物質の放出量の監視などを目的とした各種検査、各種試験でのサンプルガス測定など多くの分野で幅広く使用されており、バッチサンプリングと比較した場合、その安定性、大量データ採取の際の取り扱いの容易さなどは高く評価されている、このため、JISB7981(SO2)、B7982(NOx)、B7983(O2)、ISO8808-1を始め、多くの測定標準方法に認定されている。
今回の測定においては以下に示す船舶排ガスの特性に対応できる機種を選定した。
細かいすす(ばいじん)が多く含まれている。→前処理を充分施す必要がある
排気温度が比較的高く、絶対湿度が高い。→前処理を充分施す必要がある
測定機器の設置場所に振動が多い。→防振対策を充分施す必要がある
ボイラー排ガスと比較して酸素濃度が高い。→酸素の干渉の少ないもの
各測定項目で用いた測定機器及び測定原理は以下のとおりである。以下に各測定原理について述べる。
測定 項目 機器名測定原理
CO2 VIA510-CO2 NDIR(Non-dispersive Infra Red analyzer)
O2 MPA510-O2 磁気圧式(paramagnetic detector)
CO VIA510-CO NDIR
NOx CLA510SS-NOx CLD(Chemiluminescent detector)
SO2 VIA510-SO2 NDIR
THC FIA510-THC HFID(Heated flame ionization detector)
i. NDIR(Non -dispersive Infra Red analyzer)について
CO2計、CO計およびSO2計については、NDIR(非分散型赤外線分析計)を同一の原理として用いており、各分析形の違いは対象ガスによる測定周波数の違いのみである。一般に分子は、赤外線領域の光を受けるとその分子固有の振動および回転スペクトルによって決まる特定の波長域を選択的に吸収することが知られている。その吸収量は圧力一定のガス体では濃度に比例する関係を示すことが知られている。