プロジェクト名 大水深海洋石油開発技術 通商産業省
研究期間 平成7〜12年度
予算(千円)
研究体制
(1) 大水深開発システム評価技術(石油開発技術センター、(株)海洋工学研究所、インドネシア石油(株)、ジャパンエナジー石油開発(株)、新日石開発(株)、新日本製鐵(株)、石油資源開発(株)、帝国石油(株)、日本海洋掘削(株)、日本鋼管(株)、古河電気工業(株))
(2) TLP最適化プログラム(石油開発技術センター、(株)三井造船昭島研究所)
(3) 洋上積出用浮体保持システム(石油開発技術センター、三菱重工業(株))
(4) 大水深用掘削ライザーシステム(石油開発技術センター、日本海洋掘削(株)、三井造船(株)、三菱重工業(株))
(5) 多相流計測システム(石油開発技術センター、横河電機(株)、日本鋼管(株)、石油資源開発(株)、帝国石油(株))
(6) 石油生産情報統合システム(富士電機(株)、山武ハネウエル(株)、横河電機(株))
研究概要
近年海洋における石油ガスの採掘開発は次第に大水深海域に移行する傾向にある。大水深石油ガス開発システムには現状浮遊式生産システムや海底生産システムがあるものの、その技術は未だ充分確立されたものとはなっていない。そこで水深2000mまでの海域を対象に、大水深石油ガス開発システム評価技術のほか、要素技術として、TLP最適化プログラム、洋上積出浮体保持システム、大水深用掘削ライザーシステム、多相流計測システム、石油生産情報統合システムにつき研究開発を実施中である。
平成8年度は、大水深石油ガス開発システムについて各種開発コンセプトの現状技術レベルを評価すると共に、実績調査を実施した。また要素技術では、大水深用複合係留解析プログラムの妥当性の水槽実験による検証、洋上積出時の作業改善方式の考案、ライザー挙動把握のための水槽実験および挙動解析プログラムの開発着手、多相流計測システムに係る三相流流体試験装置完成および実験開始ならびに新規水分率計の考案等を行った。
研究成果
(1) 大水深開発システム評価技術
研究開発動向調査、研究開発企業技術実績調査、大水深開発実績調査、技術レベル評価を通して、大水深技術情報データベースを作成するための周辺的な情報を収集できた。それまでに収集した技術情報をデータベース化するとともに、水深500〜2000mに適用する生産システムの概念設計作業を行い、各生産システムの主要目とコストデータを作成する計画である。
(2) TLP最適化プログラム
TLP型浮遊式生産システム最適化プログラムの開発を行った。また、新しいTLPシステムに関する文献調査を行い、mini-TLPを係留点として生産・貯油機能を有するFPSO/FSOシステムが最も有効な候補であると判断した。さらに、係留特性を算定するプログラムを作成した。
(3) 洋上積出用浮体保持システム
Tandem方式による洋上積出の稼働率を向上させるため、荒天時でもFPSOにシャトルタンカーを係船させ積み出しができるシステム、および二浮体間の相対位置をDPSにより自動保持するシステムを開発した。また、フィードフォワード制御、ファジィ制御および学習制御(ニューラルネットワーク)を組み込んだDPS制御システムを開発し、スラスター出力の低減を図った。