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プロジェクト名 超大型浮体式海洋構造物(メガフロート) 運輸省

研究期間 平成7〜9年度

予算(千円)

 

研究体制

メガフロート技術研究組合は、鉱工業技術研究組合法に基づく組合組織で研究を実施している。組合専従者は組合参加会社、官庁、その他からの出向者の合計30名で構成されている。研究は、組合が技術部会および各専門技術分科会の協力を得て、各研究に対する企画、立案、および調整を行った上で各種の発注業務、共同、およびいたく研究業務等を行い、作業請負で受注した企業を指導して実施した。研究内容および研究成果等については、外部有識者を中心とする評価委員会で第三者的に公正に評価を行った。また、各分科会には、その分野の専門家にアドバイザーとして参加してもらい。研究活動の指導および協力を得た。

 

研究概要

研究開発においては、超大型浮体式海洋構造物に関する理論的研究を進めるとともに、各種の要素実験をした上で、実海域において大型実証実験モデルを設置することを目的としている。また、これを活用して技術的にいつでも超大型浮体式海洋構造物の建造が可能な体制を整え、運輸関連施設を始めとした社会資本の円滑な整備等、我が国の経済社会の発展に資することを目的としている。具体的な総合目標は、数km規模、100年耐用の超大型浮体式海洋構造物実現のための総合システム技術の確立となっている。

 

研究成果

研究目的を達成するために、予想される各種利用形態を踏まえつつ、建造を始めとして設計、長期耐用、上載機能および環境評価に関する各種の実証実験を実施し、超大型浮体式海洋構造物に要求されるハード面の性能要件を明確化するとともに、ソフト面として安全管理体制や環境影響に関する諸データを入手し、実機対応技術の充実を図った。

具体的には、実海域において9個の浮体ユニットを接合することにより、長さ300m、幅60m、深さ2mの大型の浮体実証モデルを建造し、これを活用して1]弾性浮体としての設計技術、2]洋上での施工技術、3]耐用年数100年以上を可能とする保守点検技術、4]浮体上の施設の機能に障害を及ぼすことを防止するための動揺制御等の機能保障技術、5]浮体構造物の設置に伴う環境影響評価技術の研究を実施した。

浮体設計技術では、外力、係留力、構造応答等のデータでの検証・評価により、数km規模の浮体構造物の設計技術を確立した。洋上施工技術では、9基の浮体ユニットの接合して大型浮体モデルを建造した上で、実機対応の要素技術の研究を行い、洋上施工技術を確立した。長期耐用技術では、100年以上の超長期にわたっての使用に耐えるため、構造物の防食に用いる新素材の適用性、および維持管理技術に関して研究を実施した。上載施設機能保障技術としては、浮体構造物全体の挙動を制御しながら上載施設の挙動を局部的に制御するシステムの開発と、浮体構造物内の振動・騒音の伝播制御プログラムの開発、磁気影響および温度影響解析プログラムの開発、浮体空港運行シミュレーションのプログラム作成を行った。環境影響評価技術に関しては、浮体周辺の流況の変化や生態系への影響などの環境影響の調査を実施し、予測評価、保全およびモニタリング技術を整備した。

 

プロジェクト評価

[公的評価]

 

[委員コメント]

重要事項として国庫補助金を投与して行われた大規模プロジェクト。本研究開発により、汎用型のメガフロートの設計・建造技術が確立された。メガフロートは、海洋開発審議会基本問題懇談会でも取り上げられるなど今後の実用化が期待されているところ。

学会ともタイアップし、情報公開の上、徹底した討論の上、プロジェクトが進められた。あらゆる技術課題を徹底して検討した。

 

出典:「超大型浮体式海洋構造物(メガフロート)平成9年度研究成果報告書 -概要-」(メガフロート技術研究組合)

 

 

 

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