(2) ブイによる海洋観測高度化のためのセンサの開発研究
水中蛍光光度計を利用したブイ搭載用センサを製作した。センサを搭載して水中を自動落下する中立ブイを製作中である。また、当センサから基礎生産量を推定するアルゴリズムの開発を進めた二酸化炭素センサは、小型化・省電力化を進めた試作機を製作した。海中懸濁粒子観測センサ波、蛍光プロファイラ技術を利用したセンサを製作し、水槽実験を実施した。また、音響散乱の利用に関する基礎実験を行い、センサ設計に関して検討を行った。化学センサに関しては、塩分・DOセンサを製作し、船に搭載して海上実験を行った。栄養塩センサは従来のオートアナライザを極力小型化してブイ搭載用とし、1ヵ月の陸上連続運転試験、短期間の海上実験を行い、ほぼ安定した結果が得られた。
(3) 海洋観測データ管理・提供サービスシステムの開発研究
ブイをはじめとする種々の観測機器から得られるデータをオンラインで管理・提供するデータベースシステムが開発された。また、ユーザーが簡単な操作により必要なデータを加工・図化して入手できるソフトウェアが開発された。さらに、漂流ブイデータの品質管理手法、ブイから得られる流速データを同化に使用し、その有効性が示された。
プロジェクト評価
[公的評価]
[委員コメント]
予算規模が小さいのに多くの研究機関が関与し、中途半端な開発を行ったため、それぞれの成果が不十分なまま終わってしまっている印象が強い。実用化につなげるためには、実力のあるアイディアの良いところに集中投資すべきであった。
出典:「世界海洋観測システム構築に資する革新的ブイシステムの基盤技術開発研究(第I期 平成5〜7年度)成果報告書」(科学技術庁研究開発局)