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e. 未利用エネルギーの有効利用技術

エネルギー利用の面では、コジェネレーション、ヒートポンプの高効率エネルギー利用機器が注目されており、今後適材適所へ活用されていくと思われる。現在、特にガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン等を原動機としたコジェネレーションが工場、ホテルなどへ利用されて注目されているが、環境負荷の少ないエネルギー技術として船舶あるいは海洋レジャー施設への応用が期待される。

 

f. 新エネルギー技術

石油、石炭に代わる新しいエネルギー探索は人類にとって最重要課題である。原子力、バイオマス、風力、太陽光発電、光触媒による水素製造技術など種々の新しい技術が検討されているが、究極のクリーンなエネルギー技術として、光触媒により水を分解し、水素と酸素を製造する技術の研究がなされている。現状では実用化は遠いが、もし実現できれば、海洋分野だけでなく人類の営みに与える影響は極めて大きい。

 

g. バイオテクノロジー利用環境保全(ビオトープ)

ビオトープとは特定の生物群落が存在できるような、特定の環境条件を備えた均質的なある限られた地域を示し、生物多様性の保全を意図している。近年、人工的に生物の生息環境を創造するすなわちビオトープを保全、復元、創出する試みが始められている。また個々のビオトープのネットワーク化の試みも一部始まっている。湿地、池、河川等で検討が行われているが、海洋においても今後重要となると思われる。

 

h. バイオテクノロジー利用環境保全(バイオレメディエーション)

近年、工場跡地や廃棄物処分場からの有害物質の漏洩による土壌汚染が問題となっている。土壌浄化技術には、土壌掘削、地下水揚水、土壌ガス吸引に加えて最近特に微生物の化学物質分解能力を利用したバイオレメディエーション法がある。アラスカ湾での原油流出事故処理に活用された実績もあり、今後、種々の海洋汚染物質への適用しうる微生物の開発が期待される。

 

5] 「医療・ライフサイエンス・バイオテクノロジー」

医療分野では高齢化の進展に伴い、脳機能の解明や痴呆症の研究に加えてガンの研究が活発になっている。

 

 

 

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