今後海洋分野への展開が期待されるコンピュータ・ネットワーク関連の先端技術の例を以下に示した。
a. バーチャルリアリティ
コンピューターによる3次元映像等により擬似的体験を行うバーチャルリアリティーシステムが最近開発が盛んに行われている。これは海洋レジャー施設、あるいは子供が海洋を身近に体験する教育、体験施設に利用することが考えられる。
b. ネットワーク
ネットワーク関連技術では、近年、高速通信のためのATM、画像圧縮技術、セキュリティ確保のための暗号化技術、無線によるネットワーク接続、ネットワーク内データベース検索技術、デジタルキャッシュ技術、リモートコラボレーション技術など種々のネットワーク技術開発が進んでいる。このような最新のネットワーク技術は海洋分野において監視観測分野で大量のデータを安全確実に送信するための技術としての利用が見込まれる。また、最新のデータベース技術と関連して、観測データのデータベース構築に活用できる。
c. GPS
リモートセンシング技術が海洋の研究に応用されるようになったのは最近のことであり、気象衛星や地球資源探査技術衛星の利用が主体である。地球測位システム(GPS:Global Positioning System)衛星からの電波を利用して車の位置を知るカーナビゲーションシステムへ利用されているが、より広域で連続的に調査が可能という特徴を生かして、魚群の分布など漁業への利用、あるいは水産業、海洋環境、海洋資源探査への展開が期待できる。
d. コンピュータ・機器関連技術
コンピュータ関連では新しいアルゴリズムのバイオコンピュータや顔、音声等の個人識別技術のセキュリティ管理への応用、マルチメディア通信などが検討されており、新しい通信技術は、海洋リモートセンシング等への応用が期待できる。
4] 「環境・資源・エネルギー」分野
エネルギー・資源問題と環境問題はそのかかわりあいが極めて強く、両者を同時に解決する手段の開発は人類にとって重要な課題である。この課題を解決する手段として、先端的なエネルギー技術、環境技術に期待が寄せられている。また、環境汚染対策技術に関する研究開発およびその基礎となるデータ取得のための地球環境への影響予測、監視・観測技術も同時に重要課題である。