a. マイクロマシン技術
容積で1cm3から1mm3に相当する小型の機械であるマイクロマシンはセンサ、コントローラ、アクチュエータ、超小型医療用デバイスなどさまざまな方面への応用展開が盛んに研究されている。小型化することにより開発コストの低減、低電力消費量、高速化など種々のメリットがある。これらは主に産業用と医療用への応用が検討されているが、深海探査用の超小型センサ、微細な配管内のひび割れ等の検査器、pHセンサーなど、船舶や、深海探査への搭載、その他種々のモニタリングへの適用が期待できる。
b. 超並列コンピュータ
従来の1個のMPU(マイクロプロセッサ)を利用するコンピュータでは演算処理速度に限界があるため、多数のMPUを強調して働かせる超並列コンピュータが発案されている。これはマルチメディア・画像処理、大規模データベースの処理やシミュレーション・計算科学の分野で威力を発揮する。海洋分野でも監視・観測・モデリング等で利用され、これまでにない大規模なデータの取り扱いが可能になると思われる。
c. 青色半導体レーザー
半導体レーザーは応用分野としては主に光通信と光情報処理にわけられる。光情報処理用半導体レーザーはほとんど光メモリーのピックアップ用であり、記録密度を向上させるために短波長化が進んでおり、青色半導体レーザーの研究開発が精力的に行われている。今後の光計測分野で海洋観測への応用が期待できる。
d. バイオセンサー
酵素の分子識別機能を利用して特定の化学物質を分析する分子認識材料であり、現在種々の応用が進んでいる。微生物を用いたBOD(生物要求酸素量)センサーは河川の汚染状態を調べるのに利用されている。このほかに魚の鮮度を測定するセンサーも試作されており、今後種々のセンサーの開発が期待できる。
3] 「情報・通信」分野
情報通信分野は近年のコンピューター機器分野での半導体デバイスの機能向上とネットワークの普及により急速に発展している。コンピュータがネットワークで結ばれるようになり、広く社会のために利用することが検討されている。教育、行政、医療、文化施設、交通等の情報化や企業間・産業間の連携のために活用されようとしている。現在ネットワークの性能・機能向上の技術、ネットワークの拡大技術、大量な情報を効率的に処理する技術、ネットワーク活用技術が研究されている。