ロ. 漁業に関して
(イ) 巨大な海は生物学的には不毛な領域である。そのため問題は人工的にいかに肥沃にして海洋資源を増やすかである。
(ロ) 今日の漁業や水産養殖からの食料供給は少ないが、栄養の面から見れば重要な部分を担っている。
(ハ) 漁獲総量は今後大きな変化は無いが、今後は選択的に必要な魚のみ捕獲するべきであり、また、魚の有効利用を考えるべきである。
(ニ) 水産資源に対して、より多くの知識を得る必要がある。また、多種の海洋資源の持続的管理システムを開発する必要がある。
(ホ) 水産養殖からの生産物を拡張すべきである。
(へ) 海洋バイオマスから全く新しい応用および製品を開発すべきである。海は十分研究されていない微生物がたくさん存在し、バイオテクノロジーの観点からは将来に対しては宝の山である。
ハ. エネルギーに関して
(イ) 増加するエネルギー需要に対して、温暖化を引き起こすガスの生産の制限および他のクリーンエネルギーについての知識および技術の開発が必要である。
(ロ) 一方、当面は石油は主なエネルギー源である。石油、ガスの探査、産出、輸送技術の飛躍的に進歩しており、効率的に産出出来るようになってきている。
ニ. 海運業に関して
(イ) 船舶は世界をつなぐ主要な輸送手段であり続ける。
(口) 将来、世界のある地域においては航空、道路、鉄道が込み合ってくるため、船舶の重要性は増してくる。
(ハ) 今後の船に関する概念としては高速性が要求される。しかし、同時に、安全性、低燃費、低公害も満たさねばならない。
(ニ) これらを実現するには、材料、建造技術、効率的な機械、ナビゲーション・オペレーションのための電子機器などの新しい知識が必要である。
c. ノルウェーの海洋関連機関
水産省、研究審議会、また、水産省に関連した機関である「海洋研究所」と「漁業および水産業研究所」およびノルウェーにおいて最大の独立研究組織の科学・産業研究財団(SINTEF : The Foundation for Scientific and Industrial Research)の海洋部門である「MARINTEK」を紹介する。