4] ノルウェー
a. 基本戦略
ノルウェーのサケは国際的に大きな需要があり、また、現在世界第4位の海運国である。さらに、1970年代以来、ノルウェー南西沖の北海大陸棚において石油、天然ガスが採掘されており、今日ヨーロッパ最大、世界第2位の石油産出国かつヨーロッパ大陸への天然ガス供給国として重要な位置を占めている。これより、ノルウェーは海に関した産業に重点を置いていると考えられる。
b. 海洋開発&海洋利用に関する戦略
日本の海洋開発審議会における基本的推進方策のようなものは発行されていない。ここでは、ノルウェーにおいて研究の全領域をカバーし、国の研究戦略をねり、施行を行っている研究審議会(The Research Council of Norway)が、ノルウェーの戦略として特別研究領域として挙げたもの(ただし、海洋に限定したものではない)および同審議会理事長が中国で行ったスピーチ(An Ocean of Opportunity)から海洋開発&海洋利用の基本概念と捉えられるものを参考として示す。
(a) 研究審議会が定めた特別研究領域
イ. 基礎研究
ロ. 2020年までのエネルギーおよび気候研究
ハ. 「An ocean of Opportunities」―海洋資源による富の創造―
ニ. 国際的将来問題の一つとしての食料に関係した科学
ホ. 情報およびコミュニケーション技術
ヘ. 専門技術のR&Dによる賢い事業
ト. 「Research today, good health tomorrow」(今日の研究、明日の健康)
チ. 極地研究
リ. 公共セクターの活性化と改善
(b) 研究審議会理事長のスピーチからの海洋利用および海洋開発に対する基本概念の抜粋
イ. 海洋全般に関して
海洋はまだ未知であり、その利用可能性の調査は始まったばかりである。