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高田地域消防本部(大分)

 

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・ わが町・我が村・我が郷土

高田地域消防本部は、大分県の北部、瀬戸内海に突出する国東半島の西の玄関口に位置し、豊後高田市・真玉町・香々地町・大田村の一市二町一村で構成され、人口約三万人、面積二五二・四km2を管轄している。昭和四五年に高田地区救急業務事務組合として設立され、昭和四八年四月に消防業務も加わり高田地域消防組合消防本部として発足した、現在一本部一署五一名の職員と二〇分団九四四名とが連携をとり一丸となって、地域の安全を守るためにがんばっている。この地は、国宝富貴寺を始め、各所に仏教文化遺跡がねむる「仏の里」として知られ、観光客の足に静かなブームを呼んでいる。

「ぜひ一度おいでて、仏の心にタッチしてみませんか。きっと新しい明日が見えますよ!」

・ 文化財を災害から守る

当管内は「仏の里」と呼ばれるように仏閣、石造等が数多く点在しており、なかでも富貴寺大堂は養老年間に一本の榧の木で建立したと伝えられる九州最古の木造建築物で、国の重要文化財も安置されている。毎年、文化財防火デーには、富貴寺大堂、長安寺及び真木大堂の三ケ所を持ち回りで、火災・地震等を想定した訓練を住民一丸となって取り組むとともに、消防職団員との連携にも力をいれている。この宝である貴重な文化財を災害から守り、後世に末永く伝えていくのも我々消防本部の務めでもある。

 

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【ビラミツド防災の推進】

安全で安心して暮らせる地域づくりのため、住民、市町村、消防(団)が三位一体となった防災事業の推進を目指していく、ピラミッド防災の推進を展開している。

・ 自分達の地域は自分達で守る

事業所、学校等において、防火防災についての講習を実施するとともに、管内関係市町村の区長総会において各種防災講習会への受講を促している。また「自分達の地域は自分達で守る」予防消防を提唱し、今後なお一層住民とのふれあいを大切にし防火防災の推進をしていきたい。また、少年消防クラブ、婦人消防隊の訓練、育成指導に取り組んでおり、昨年、少年消防クラブ員二名(高田小学校六年生男子)が立木が燃えているのを発見し、二名で消火をし、大事に至らなかったことにより、その功績をたたえ表彰を行った。

・ 安全な地域づくり

防災まちづくり事業の推進を図るため、関係機関と十分協議を重ね、在部の狭い道路拡張、河川改修時の消防水理の確保等をはじめ、高齢化対策福祉事業の推進にも力を入れている。(豊後高田市平成五年から一人暮しの老人等の緊急システム導入一一一戸、香々地町、平成六年から防災無線機の設置 全戸、真玉町自主防災組織の結成 全地区)

・ 組織体制の充実強化

平成一〇年四月から本部・署の機構改革を実施し、本部課制(総務・警防)署には三小隊制と五係制を設け、統制のとれた事務事業の効率化と職員の資質向上を図っている。また、住民に安全と安心を与えるためには、我々職員が健康でなければならず、健康づくりの一貫として毎日の体操を実施し、毎月一日の点呼の訓示において個人の健康管理との事故防止に全員に指示している。

・ 安全で安心な地域づくりのために

永野修消防長は、「今後、社会情勢の変革とともに消防業務の多様化等に対応できる組織力の強化を行い、機械機具の整備はもとより、訓練や研修による職員一人ひとりのレベルアップを図り、特殊技能の修得、専門職の養成等全職員が一丸となって取り組んでいきたい」と力説され、そして、「安全で安心してくらせる地域づくりのために、住民と一体となり、地域防災に努めていきたい」と力強く結ばれた。

(小澤 純)

 

 

 

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