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教養誌「ほのお ’98/6号」

 事業名 消防資料の発行
 団体名 全国消防協会 注目度注目度5


海外消防情報

 

六人が死亡した高層共同住宅火災

一九九五年一月六日(金)午前五時頃カナダ、オンタリオ州ノースヨークの高層共同住宅で火災があり、住民六人の全てが高層階の避難階段で死亡した。損害額は、七三万ドルと推定される。火災原因は、五階住戸の居住者が誤ってソファーの上に落としたたばこの火と思われる。

出火した住戸の居住者が部屋のドアを開け放したまま避難したために廊下が煙で充満した。居住者の多くは廊下を使って避難することができなくなったが、ドアを閉めて自分の部屋に留まっていた人々は消防隊員によって救助された。

二つの屋内避難階段の内一つが火災により破損し、もう一つが消火活動のために延長したホース線により開けられたままになっていたために両方の屋内避難階段に煙が侵入した。そして煙は煙突効果により各階段、エレベーターシャフト及びエアコンのダクトを通って上層階に伝播した。

緊急音声通報装置は、共同住宅のだれも使い方を知らなかったので、出火の初期段階では使われなかった。しばらくしてから同装置を使って出火及び避難誘導の通報がなされたというが、たいがいの人々はよく聞こえなかったりあるいは何を言っているのか分からなかったという。居住者は、ラジオやテレビをつけて情報を入手しようとしたが、ほとんど役に立たなかった。

出火に気づいた人々の内ある者は、速やかに避難することができたが、その数分後には他の人々は避難することができなくなった。次第に濃くなってくる煙の中を通り抜けて避難しようとした者もあったが避難できず、また元の部屋に引き返さなければならなかった。多くの場合、避難しようとした人々より自室に留まったり、ベランダに出ていた人々の方が危険が少なかった。

この火災では居住者に対して正しく情報を伝達すること及び出火時に避難すべきか又は部屋の中に留まるべきかの判断についての指導が必要であることが指摘された。

この火災について米国防火協会が調査・分析を行なった結果、多くの人命を失った原因は次の通りであることが明らかになった。

1] スプリンクラー設備が未設置であった。

2] 共同住宅の玄関ドアに自動閉鎖装置が付けられていなかった。

3] 煙突効果により階段、エレベーターシャフト及びエアコン・ダクトを通じて煙が高層階に上昇した。

4] 共同住宅の職員は、出火の際の処置について教養を受けていなかった。

5] 居住者に対して避難訓練が行なわれていなかった。

6] 居住者は、緊急通報装置による出火及び避難誘導の通報がよく聞き取れなかった。

(NFPAジャーナル一九九八年三・四月号サップレメント)

(文責・大野 春雄)

 

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