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(四) 覚知内容

加入電話で所轄警察署から「R二三七上富良野バイパスで乗用×乗用の交通事故で、車内に二人が閉じ込められているもよう。」

(五) 現場到着

一五時〇一分

(六) 救助活動完了

一六時三三分

(七) 要求助者

甲 男性 二二才 多発外傷、出血性ショック〜重症

乙 男性 二二才 頭部挫傷、〜三一時間後死亡

(八) 出場車両・人員

指揮隊(指令車) 一台 三人

救助隊(救助電源車) 一台 二人

救急隊(二署救急車) 二台 六人

支援隊(ポンプ車、他) 三台 六人

 

二 現場到着時の状況

一五時〇一分、先着救急隊は「負傷者二人」の通報から、ただちに状況を確認したところ、上り車線に前部が原形もなく押し潰されている乗用車が停車しており、車内に男性二人が閉じ込められているのを確認した。

運転手の男性は、腹部をハンドルで押しつけられ、左足下肢の足背から指部にかけてクラッチペダルとフロアーに狭まり救出困難な状況であり、助手席の男性はダッシュボード下にもぐり込んでうめいていた。

 

三 活動状況

一四時四九分、覚知内容により出場指令を受けた救急隊一隊、救助隊一隊、指揮隊一隊がただちに出場した。

現場の国道二三七号線は、風光明媚なため観光路線となっており交通量が多いうえ大事故が多く、出場に際し救助資機材の選択と二次災害防止を考慮する必要があるので隊員の緊張が高まった。

救急隊はただちに助手席の男性を助手席側ドアを破壊し救出、救急車に収容した。

もう一人は救急隊では救出困難なため、酸素吸入の処置をして後着救助隊に救助活動の引継ぎをするとともに、事故の状況から運転手の救出には長時間かつ、困難が予想されたので、指令室に医師の派遣及び支援救急隊並びに支援隊の応援を要請した。

先着救急隊から引継ぎを受けた救助隊と支援隊が協力し、運転手の男性の救出のため、油圧スプレッダーで運転席ドアを開放した。それと並行して、腹部を圧迫しているハンドル部を展開するため、ポリスリングをハンドルにかけ可搬式ウィンチで引き拡げ圧迫を解除したが、衝突の衝撃により運転席全体が前部下方に圧縮された状態であるため、運転手の左下肢足背がペダル等に狭まり引き出せない状態となっていた。

このため運転席側からの救助活動だけでは救出困難であり、また、車体形状と事故の影響から、車内が著しく狭く活動が困難だったので、救助スペース確保のため、車両のフロントピラー及びリアピラーを油圧カッターで切断しルーフを展開した後、油圧カッターでダッシュボード下方を破壊していき、少しづつ油圧スプレッダーで隙間を拡げ、左下肢足背が狭まっているペダルをペダルカッターで切断し、運転手を救助、支援救急隊に引き渡し救助活動を完了した。

 

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おわりに

近年、交通事故原因のなかで不注意による事故が増加している。このことは、現代の自動車社会のなれであり、特に地方における交通手段としての利便性から、自動車が必要不可欠なものとなっているためであろう。

 

 

 

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