火災
中央自動車道の衝突事故による車両火災
諏訪南行政事務組合消防本部(長野)
はじめに
当本部は、茅野市・富士見町・原村の三市町村で構成され、主峰赤岳(二、八八九m)を中心として広がる八ヶ岳連峰から西へ扇状にすそ野が大きく広がる高原の地で長野県の東南部に位置し隣県の山梨県に接し、気候は、内陸性で四季の変化に富み、中央自動車道西宮線やJR中央本線・国道二〇号線が走り交通網は、整備されている。
また、本年度は冬季長野オリンピックヘの派遣や諏訪大社、御柱祭の警備等ビックイベントがあり、消防本部をあげて協力した。
消防体制は、一本部・三署・一分署・一支署・一分遣署、職員数一〇八人の組織となっている。
ここに紹介する火災事例は、現在日本の高速道路の最高地点一〇一五mの一五九・三キロポスト付近を過ぎた下り線で発生し、中央高速道路消防相互応援協定に基づき出動した山梨県峡北消防本部からの要請により出動したもので、三人が死亡した火災である。
一 火災概要
(一) 出火日時
平成九年一二月一九日 二三時二〇分
(二) 覚知日時
平成九年一二月一九日 二三時三三分
(三) 発生場所
長野県諏訪郡富士見町、中央自動車道下り線一五九・三キロポスト付近
(四) 気象状況
天候晴れ・気温二℃・湿度九七%・風向西・風速二m
(五) 損害状況
車両 二台
死者 三名(男性二人、女性一人)
損害額 五、三七四、〇〇〇円
原因 不明
二 出動車両及び人員
・ 当消防本部 出動車両 五台 出動人員 一四人
・ 山梨県峡北消防本部 出動車両 四台 出動人員 一三人
三 事故概要
中央自動車道下り線を仲間二台で走行中の一台目が、左ガードレールに衝突、それを避けようとして急ハンドルを切ったところ右ガードレールに衝突。追い越し車線を走行中の後続のトラックが二台目の乗用車に追突し炎上、乗用車内の運転手を含む三人が死亡した。
四 活動の概要
中央高速道路消防相互応援協定に基づき出動した山梨県峡北消防本部から、当該地籍を管轄する富士見消防署に加入電話にて出動の要請があった。なお、要救助者がいるもようとの通報内容であった。
富士見消防署よりポンプ車・タンク車の二台が出動し、諏訪南インターより下り線を逆走し一五九・三キロポスト付近でトラックが炎上しているのを確認した。
現場到着時トラックの後方側に、乗用車も炎上しているのを確認、火勢にあっては、最盛期であり要救助者の確認は、この時点ではできない状況であった。