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る里親委託のしやすさ、しにくさについても取り上げた。結果のところでふれたように、委託のしやすさ・しにくさというプラス・マイナスの両極に左右されやすいものとして、「保護者の同意」、「保護者の養育状況」、「児童の年齢」、「児童の状況」、「里親の希望」があった。ケアの前提としての保護者の養育状況や保護者との円滑な関係が、きわめて重要であることは、里親制度に限らず児童福祉施設への措置においても同様である。里親委託においては、それ以外の三つの領域が重視されよう。「児童の年齢」が低く、「児童の状況」にとくに難しい問題がない場合か、「里親の希望」としてそのような児童の条件にこだわらない場合である。まさに、都道府県・指定都市や地域レベルでの、また児相や里親会レベルでの里親制度運用にかかわる質的対応によって相違が生じてくるものである。またこの内容は、我が国の文化や子育て観を踏まえた対応が求められるものであることも重要である。

状況が比較的プラスあるいはどちらとも言えない方向に傾いているものとして、「児童の性」、「委託後の見通し」、「その他の状況」があった。この点が主要な条件となることは確かに少ないであろう。男の子よりも女の子の方がプラスに傾いている割合が高いが、しかし男の子であるということがマイナスに傾く割合はほとんどないに等しい。

 

 

 

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