しての里親制度の振興、里親委託・受託の促進を図ることには限界があること、今日においても重視する必要があることが示された。
このことは、里親制度の運用を実質的に担う児相が、養育家庭関係、養子縁組関係にかかわる活動組織に対する意見からも示唆されるところである。このような活動組織は、まだ大都市圏を中心に、いくつかの活発な地域に存在する程度である。その有効性を判断するには、経験例が十分ではないことも、今回の調査から伺われた。しかし、児相の主要な見解としては、養育家庭の促進は、里親制度と結びつけて児相をはじめとする公的機関・組織が担い、養子家庭の促進は必ずしも里親制度としてではなく、また民間組織が担う、という重要な示唆を得ることができた。養育家庭、養子家庭の促進にかかわる制度のあり方、公私の役割分担のあり方を考える上で、十分に参考としたい内容である。
4 里親への「委託のしやすさ」
我が国の里親制度が十分に振興をみていない理由の第一にあげられていたものが、里親委託をめぐる状況であった。今回の行政調査では、里親制度の運用に深くかかわ