縁組が極めて高い割合でみられることは、これまでの全国調査などからも常に明らかにされてきた。今回の結果も、言うまでもなくそれと符合している。児童福祉上の本来的目的の一つである家庭復帰や児童の自立の割合は低い。ポイントでみると、養子縁組に対して児童の自立は1ポイント以上、家庭復帰に至っては2ポイント以上低い。また、施設に措置変更されるケースは、養子縁組よりも2ポイント低いものの、家庭復帰とほぼ同様のポイントを得、2位、3位、4位の得点は、家庭復帰よりも高い。
里親への委託効果をみると、委託効果が上がり、順調に解除・変更している事例の割合は非常に高かったが、効果が上がった場合は、養子縁組へ、また効果があまりみられない場合は措置変更へ、という図式は、里親制度の中に一部養子縁組制度が混然として含まれている象徴的なものであるとも言える。
我が国の里親制度が、これまで十分な振興をみていない理由に関する結果をみても、我が国においては、プライベートなあるいは親族的、血縁的家族関係を重視する文化や子育て観を基盤としている傾向が重視されている。今日においてもこの傾向は根強く、このことを視野におくことなく、純粋に福祉的観点からの社会的親、心理的親と