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さて、養育里親と養子里親の制度上のあり方は、わが国の里親制度の根幹にかかわる古くて新しい問題である。今回の結果をみると、両者を制度上分けているとする児相が5割に対し、とくに分けていない・その他が44.2%と、おおむね二分され、その他の回答と関連させてみても、両者を制度上明確に区分したり、いずれかを重視する方向を今後考えることには、問題や課題が多すぎることを示唆する結果であった。

また、いわゆる通常の養護児童に限らず、障害や問題のある児童がどの程度委託されているかを問うた結果からみても、委託が2割を超える対象児はみられず、一気に専門里親などの普及を図ることには限界がみられるように思われた。

里親委託後の指導・支援体制は、圧倒的割合で児相によってなされている結果がみられた。しかし、とくに里親の家庭への訪問、里親交流の奨励が主なものであり、児相での指導・支援や研修などの体制を強化することは、非常に重要であり、制度的にもその基盤を強化する必要性が認められる。

 

3 里親委託の効果と里親制度振興上の課題

わが国の里親制度が抱える特徴を反映し、里親委託が解除される理由として、養子

 

 

 

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