また、ハンディのある子どもの養子縁組の多くが渉外養子によって救われているという現実を改善することが望まれます。その一方で家庭裁判所が関与せずに、海外に養子縁組目的で連れ出される子どもたちが存在しています。その数さえ正確にはわかっておらず、昭和63年8月にNHK広島局の制作で西日本に放映された「海を渡る赤ちゃん」では、養子斡旋の実態が鋭くえぐられ、「養子縁組斡旋事業の指導について」(昭和62.10.31 児発 902 児童家庭局長通知)による私的な養子縁組の斡旋の規制が機能していないことがあきらかにされました。その後1994年1月1日付け朝日新聞は一面で「海渡る赤ちゃん増加・国際養子10年で605人」とのショッキングな報道をしています。報道によれば、民間の斡旋9団体のうち社会福祉事業法の第二種社会福祉事業として届出ているのはわずか4団体で、さらに個人的なルートでの斡旋がかなりあるとみられます。その後民放などでも、養子斡旋をする産婦人科医が紹介されたりしており、相談したら400万円を要求された等の話が児童相談所にも伝わってきてい