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ては、親権の濫用(消極的濫用)を理由とする親権喪失宣告がみられるようになっています。しかし、民法第817条の6但し書き不要の用件については、解釈は一般的にはより厳しいものとされています。

最高裁判所事務総局家庭局の見解では、単なる財産管理権の濫用でなく、親権喪失事由より子の福祉を害する程度が強く、かつほとんど改善の見込みがないことが要求されるとしています。「したがって、親権行使の単なる懈怠は、原則的には同意不要の事由に当たらないが、それが長期にわたり、ほとんど改善の見込みがないような場合には積極に解することになろう」が、「いずれにしても、特別養子縁組が親子関係の断絶という重大な効果を伴うことを考えると、父母の同意なくして特別養子縁組を成立させる要件は厳格に解釈する必要がある。」とされています。

児童相談所サイドから、子どもたちにかかわるものとしては、この制度の拡大発展につながるような検討を期待したいものです。

(5) 国際養子縁組について

家庭裁判所が関与する渉外養子縁組は、平成5年度で337件が認容されています。一方が外国籍のカップルの里親登録も増えている中で、事務的にも大変な国際養子縁組に対応できる力量が相談所にも問われています。

 

 

 

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