のですが続きません。寒い日の洗濯干しは、手の冷たさが心の奥までしみてくる様でした。お父さんさえ生きていてくれたら…と父を恋しく思っては涙してしまうこともありました。
私がお世話になって四ケ月後、遠藤さんの長男功郎さんご夫婦が同居することになりました。そしてお嫁さんの善美さんのお産です。私は大勢の家族と生活するのは初めてです。戸惑うこともありました。それまでは、自分の事だけ考えていれば良かったことも、今はみんなに気を使わなければなりません。お風呂に入ることの一つにしても、声をかけたりわずらわしく思ったこともありました。
同居して二ケ月後、早産で可愛い男の子が生まれ晃央くんと名付けられました。善美さんのお腹の中にいる時から一緒に暮らしていた「アッくん」を、弟のように思えました。その思いはいつしかアッくんの面倒をみることが私の役目と思う様になっていったのです。誰から強制されたわけではありません。私が心にそう決めたのです。
私も中学3年生になって高校受験を間近に控えました。お世話になっている私は、学費がどれだけ経済的な負担になるかを考えると、進学の話を言い出せませんでした。