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その頃、民生委員の遠藤さんは私の親戚を探してくれていました。その結果、思いがけないことがわかったのです。母が生きていたのです。けれども、私の心には母を恨む気持ちしかわいてきません。子どもを置いて出て行く母親なんてと母が私を訪ねて来ましたがとうとう会いませんでした。そのことがあって、おばさんはおじさんと相談して区役所の方にお願いし、里親の登録をしてくれました。父は亡くなる前に「敏子を頼みます。」と、遠藤さんにお願いしたそうです。その言葉どおり私を里子として迎えて下さいました。

遠藤さんを「おばさん」、御主人を「おじさん」と呼ぶ様になりました。おじさん、おばさん、そして私の三人の生活が始まったのです。はじめは、食事やテレビを見ている時何を話してよいかわかりませんでした。学校のことや友達のことを聞いてくれるおばさんの質問に答えるのがやっとです。何となくぎくしゃくしてしまいました。それに私の頭の中にはおじさん、おばさんにお世話になっているから何かさせてもらわなくては、という思いがいつもありました。それで色々思い当たってはやってみる

 

 

 

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