労働だったら、定年まで働けばいずれ終わるんですけどね、やっぱり子育てになると一生涯の仕事で、老後は暮らし方自身を、子どもとの関わりの中で左右する大きな仕事だと思うんです。子育ては二面性をもった、それは凄く意味のある事で、プライドと自信を持って、学ぶ姿勢が大事だと思います。
出会いから2年余の月日
私と子どもは、3歳の時に出会いました。男の子です。その前、乳児院に3歳直前までいました。それで3歳になったもので養護施設に移りました。彼にとってはその『別離体験』っていうのは、心の中に非常に深く「傷」として残っています。というのは、乳児院にいた時に、とても心も体も面倒見て下さった方がいるんです。その人はとっても本当に彼にあってるんですね。とてもいい人だったんです。だから彼は良く育ってるんです。養護施設にいくその別れは、彼にとっては非常な痛手で、一日泣き続けていました。それが1月です、3月になったもんですから、2ヶ月たって私達夫婦と出会いました。
離脱の悲しみが過ぎたかなという段階で、私たちに出会って、そして4月、丸々1ヶ月ですね、1ヶ月養護施設と自宅との往復をして慣らしの段階に入りました。養護施設に行く度に、皆さんも体験あると思うんですが、子どもたちは親がいませんから、愛情に飢えてるんですよね、誰かれかまわず大人と見ると寄ってきて「遊んでくれ」とか、「お菓子をくれ」とかと言う風でした。