今まではちっとも私のほうに来てくれなかったのが悲しくって、「来てくれないかな」と思っていたのに、今度は私にべったりになると「頼むから、もうちょっと離れてほしい」みたいなそういう気持ちが芽生えてきて、わがまま言ってた気がします。
その頃の事を今、考えると、なんとか自分が子どもの母親の地位を勝ち取る為に、子どもをねじ伏せてでも、何とか子どもの優位に立って母親として認めさせようというみたいな、そんなちょっと違った求め方を自分で持ってしまったんじゃないかなと今、冷静に考えて思うんですよね。子どもと力の引き合いをして、こっちが勝つまで引き合いしようというみたいなことを繰り広げていた訳です。
フッと肩の力が抜けて
その時、やっぱり周りの目もありました。養子ということで突然この家に子どもがいて、泣き叫んでいるみたいなものですから、なかなか周りに相談もできないんですね。お友達にもなかなか本当のことが言えない。相談するのはお母さんたちでしたけど、その時本当に自分の力になってくれる、周りで私の話を聞いてくれる方が一人でも二人でも欲しかったですね。いきなり母親になることになったもんですから、いろ