多分その時は、子どもは私を試していたと思うんですね。この人を、本当に母親として認めてよいかどうか、というところだったと思います。そんな関係でしたけど、彼をまわりの人達にも紹介しました。わたしたちのまわりが本当に気にいったというか、不思議なことにどこか似たところをみつけるんですね。血がつながってないんですけど、目が似てるとかいってもらって、おじいちゃんおばあちゃんも本当に快く迎えてくれたもんですから、「やってみよう」という気になって、私も頑張ってみました。
ある時期を過ぎると今度は、「もうこの人に決めた」と子どもが思ったのか、今度は私からくっついて離れなくなりました。もう、どこへ行くにもいっしょ、トイレにも一人で入れない、寝るときも一緒。それで一緒なんだけれども、多動な子どもだったので、目を離すとサッとどこかへ行ってしまうというふうでした。ですから、お買い物の時とか、郵便局でキャッシュコーナーなんかやってるとき、じっと座ってるお子さんを見ると「なんでうちは、ああいうふうじゃないんだろう」という感じで、ため息をついている日々でしたね。