子供には先づ人間性のある豊かな心こそが幸せにつながるものと思い育てて来ましたし、子供等も成長の段階を踏んで社会人となった時「あの家で育って良かった」と思う心こそが私共が子供達に与える事が出来る「無形の宝石」ではなかろうかと思っています。
どの子の想い出も数限りなくありますが、正直言いましてどの子も決して良い環境には生まれていません。血筋、性格もいろいろで、子供の将来の幸せを願い愛の「ムチ」を当てることもありました。時には躾の面で主人との意見が合わず、その調整に苦労をし、くやしさの涙を押える事もありました。
すでに3名の女の子はそれぞれに家庭を持って子の親となっています。この中の1人は4歳から引き取りましたが、この子は2歳の時両親の離婚で父親と生活している子供でした。その為何の躾もなく、テレビとお金が母親代りと言う様な生活で4歳とは思えない子供でした。幼稚園の参観日など悪坊故に、お友達のお母さん方からも冷たい目で見られ、私には率直にいろいろ言われ、この子の不憫さに人知れぬ涙を流し帰る日もありました。