彦坂さんや萬屋さんの出会いから半年ほどたったある日、一本の電話がかかってきました。「お二人(彦坂さん、萬屋さん)の紹介で、これから生まれてくる子どもの親になってくれませんか。」と、初めて聞く声です。その人の名は矢萬田先生(児童福祉司)。半信半疑のまま「はい、ならせてください。」と返事をしましたところ、「これから生まれてくる子に、もし、障害があっても受け入れてくれますか。」との声。主人も私も考えました。これが自分達の出産だとしたら、何の不安や心配もないという保証があるだろうか。同じ立場に立って考え、受け入れることにしました。
現在の私達親子の幸福は、子ども達の幸福を心から願って人力を尽くして働いてくださっている人々のお世話と、後押しによって得られたものです。心から感謝してやみません。
産みの苦しみを持たずに人の親にならせてもらったのですから、いつか帳じりをあわせるときが来るかもしれませんが、矢萬田先生のお言葉通り、全てを受け入れて子どもと共に、これからも運命を切り開いていこうと思っています。