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められているのです。あの子の前では、涙は見せられないと考えさせられるのです。せめて、光司が成人になるまで、主人が元気で生きていてくれたら…。この先一人で、どの様に育てていけばよいのか、考え出すと不安なことばかり出てきます。男親じゃないと出来ない事もあります。遊びにしても、友達が父親と一緒にキャッチボールをしているのを見ている、その後姿が淋しそうに見受けられる。

でも私達には信頼出来る人がたくさんいらっしゃいますし、やさしく楽しいお客様もいて幾度となく元気づけられております。また、光司も人なつっこい性格で、お祭りやドライブに誘っていただくと、喜んでついて行くので心配なく送り出せます。この元気さで不安も解消されますが、これから先、成長と共に難関にもぶつかるでしょう。朝夕は、仏壇の前で、祖父と父親の法名を呼んで小さな手を合わせています。何ともいじらしく可愛いものです。家族がメソメソせず、元気に仲良く暮らしていくことが、佛様に何よりも供養になるでしょう。祖父や主人もきっと見守っていてくれることでしょう。私自身、ついつい仕事が優先的になり、何一つ計画的ではありませんが、私なりに頑張ろうと思っています。

 

 

 

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