(7) わが家の宝 宮川 みつ子
今から二年前、養子縁組の希望で児童相談所のお世話になり、里親の手続きをしておりました。知人のはなしでは養子縁組はなかなか難しく、時間が随分必要だと聞かされておりましたが、私どもの場合は運がよかったのか、はなしはトントン拍子で進みました。
その年の八月に「白梅学園に光司君という二歳の男の子がいます」と連絡をいただき、すぐに顔を見に行きました。園長先生から話しを聞いて「光ちゃんはとくべつ警戒心の強い難しい子どもですよ」と。
その日から毎日三十分でも一時間でも夫婦で学園へ足を運びました。許可をいただき、最初から「お父さん」「お母さん」と呼びあい、取り組んでゆきました。しかし、会いに行っても待っている様子でもなく、うれしくて抱きついて来るのでもなく『だいじょうぶかな』と心配の毎日でした。
私ども、店の定休日が水曜日ですので、時間がある限り遊び相手になり、おやつを