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ことは手伝ってもらっています。朝五時頃から夜七時近くという時もあります。子供にとっては長くてつまらない時間かも知れませんが、「親の後姿を見て子は育つ」と言われます。仕事をしなければ食事をすることも、遊びに行くことも出来ないと言うことをわかってほしくて連れて行きます。手伝ってもらっても「ありがとう」の言葉だけです。また、たとえ子供であっても一人の人格です「ありがとう、ごめんなさい」は私の方から言うことがあります。

この子達もそろそろ進学の問題など将来のことを考えなくてはならない時期に来ました。千恵美は中学二年生、裕美は小学六年生です。姉の千恵美は知的障害があり、多分、高校進学は無理なのではと思います。何より自分の意思表示がうまく出来ません。妹の裕美は元気いっぱいで、男の子に見られることがよくあります。この姉妹については、二人の人生を合わせて考えなくてはなりません。互いに信頼し合い、助けあって生きて行って欲しいと願うと同時に、お互いが負担に思うことのないようにとも願っています。これから先どれだけ挫けそうなことや不安なことが起こって来ても、自分の人生を自分の力で歩いて行って欲しいと願っています。

 

 

 

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