中でもとくに人格の基礎を形成する時期にある幼児の場合には、個別的養育の可能な里親制度は優れたものとされている。
2. 里親事業の推移
現行の里親制度は、昭和22年に制定された児童福祉法によって、家庭に恵まれない児童のための施策の1つとして制度化されたものである。
里親制度の運用方針については、翌昭和23年の10月4日付厚生事務次官通知で「家庭養育運営要綱」が定められた。しかし、子どもを取り巻く社会的諸条件の変化に対応して、昭和62年に40年ぶりに全面改定され、新しい「里親等家庭養育運営要綱」が昭和63年1月1日から適用されることとなった。その全文を参考資料5及び6に掲げたが、主なる改正点は次のとおりである。
1] 里親制度の理念の改正
特別の篤志家に里親になってもらうという従来の考え方を改め、広く里親を求め、普通の人を立派な里親に育てて行くという理念を打ち出したこと。
2] 里親の再認定
従来、やむを得ない事由により里親が申し出なければ半永久的に里親として登録されたままになっていたことを改め、里親として活動できる者であるかどうかを定期的(5年以内で県の定める期間ごと)に確認を行う規定を設けたこと。
3] 研修
里親に対する研修の規定を設けたこと。
新規に登録された里親も含めて、児童相談所が中心となって各県里親会の協力を得て実施することが予定されており、国でもそのための費用の予算化をした。
4] 単親里親の容認