介護支援専門員は「居宅介護支援事業」を実施する事業所および施設に配置することが義務付けられており、施設には入所者一〇〇人に一人、在宅介護の場合は五〇人に一人と見込まれ、厚生省は制度スタートまでに全国で四万人以上の介護支援専門員が必要だとしている。
自治体間で揺れる?ケアマネージャー受験資格
介護支援専門員は、都道府県知事またはその指定した者が行う「介護支援専門員実務研修」の修了証を交付された者に限られている。この研修を受けるためには都道府県が実施する「受講試験」にまずパスしなければならない。そしてこの試験を受けるためにある一定の「条件」が必要なのである。
第一に、年齢制限はないが、「保健、医療、福祉の分野で五年以上の実務経験を持つ人」とされており、医師、歯科医師、看護婦をはじめ社会福祉士、介護福祉士、栄養士などが対象となっている。また無資格の職員であっても、一〇年以上の実務経験があれば受験できる。志望者は「実務経験」を証明する書類を添えて申し込むのだが、ここで非営利団体が懸念しているのが、それが雇用契約による証明書に限られた場合、ボランティア団体で介護に従事してきた人たちが排除されるのではないかということ。千葉県のある介護ボランティア団体代表者は、「医療側の資格が優先されているように感じます」と指摘する。
介護保険の大きな特徴は、1]サービス利用者の自己決定権の確保、2]自治体主義、3]民間委託主義の三つである。サービス利用者が福祉サービス提供の際の決定権を持つということは、これまでの「お上」が与える恩恵的福祉(措置)に代わって、市民が権利としてサービスを受けることを制度として保障するものである。2]の自治体主義は、それぞれの自治体がその地域に合わせて独自に保険料やサービス内容、その水準を決定することであり、3]の民間委託主義とは、自治体そのものがサービスを提供し、あるいは公益法人(その多くは社会福祉法人)に委託してきたこれまでのやり方を変えることだ。大雑把にいえば、