く有償ボランティアでした。施設看護から手を引き、スタッフをそろえて本格的に在宅看護の仕事をやり出してからは、働く自分たちの生活を守りながら、療養者にも価値のある看護を提供したいと考え、訪問看護の中身を徹底的に分析して、必要な費用をはじき出していきました。
そんな中で、同じ時間を使って教育を受けたスタッフたちの仕事ぶりに対し、看護を受けている患者さんや家族から「この程度の看護なのに料金が高すぎる」「これほど行き届いた看護なのに安すぎる」などとさまざまな評価が出てきました。私は、これこそ真剣に在宅看護を受けたいと願っている人たちの看護に対する正直な評価だと思いました。私たちが提供する看護が、どのような認められ方をするのか、果たしてどのくらいの価値があるのか。国家資格を持った看護婦が行う看護が、正しく評価されるようになるためには、常に金額に見合った質と量を要求される"買っていただく"看護に挑戦しなければならない、と考えるようになったんです。