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堀田 子供は素直に受け入れる能力を持っているんですよ。先日の教育課程審議会で道徳教育のあり方を議論した時も憎まれ口を聞いたんですが、だいたい先生が子供たちに道徳を教えるという考え方でやってきているけれど、先生のほうが子供より道徳的に優れている保証がどこにあるのか。制度的にも現実的にもまったくない。校長先生も道徳教育に大いに参加せよという案だが、校長が、一般の先生より優れている保証も皆無である、と。もう上から下へ教えるという概念じゃなくて、いわば、コーディネートですよ。子供たちが持ってる力を引き出すことで十分。そういう書き方をしてくれと注文を付けたんです。

安田 そうなんですよね。本来子供は自分で伸びる力を持っているのに、今は禁止や命令が多すぎるんじゃないか。まずやらせてみることが大事です。高齢者とのふれあいでも、子供のときから高齢者とのふれあいを何らかの形でつくってほしいとぼくは思っています。成人してからじゃだめなんですよ。生活感覚の中から学んでいける高齢者への思いやりとか心情、子供のころからかかわることで自然に身に付けていけるはずですから。

堀田 まずは大人は子供に学び、夫は妻に学ぶこと(笑)。高齢者のお世話をするときも、子供に接するときも、精神的な自立、自己決定が基本です。それをいかに支えるか。その過程で同時に自分がさらに学ぶことになるでしょうし、それを意識して実行していける団体がどんどん伸びて、地域に根付いていけるということですね。大いに学び、社会を変えていきましょう。

 

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