安田 だから男の場合は、どうしても自ら変わるというより、「変えさせられる」ことによって、変わっていくことが多いでしょうね。こういう活動は夜の会合が多いですが、夫は夜、妻の外出をあまり賛成しません。だから最初は家族への配慮で夕食を用意していくのが、だんだんがんばっている姿を見て、子供が「大変だからつくるよ」と。そうして夫も次第に変えさせられていくわけです。
堀田 ある団体のリ−ダーをやっている女性にコツを聞いたんです。そうしたら形の上ではご主人とお子さんを実にうまく立ててるんです。夫と子供に、それぞれ別の機会に「私はあなたが一番大事よ」と。「でもあなただけに頼って迷惑かける妻じゃ困るでしょ」と夫には言い、子供には「あなたたちのためにやってるのよ」と(笑)。リードの仕方がうまいんですよ。それとリーダーのみなさん、ご主人は例外なしにいい男。風貌、物腰すべてすごく魅力的で、う−ん、なるほどと。現役で仕事はされてますが、活動をしている奥さまを通じて「人間の世界」に目を開いたというか。それが大きな魅力になって、風貌にまで包括力がにじみ出ている。
安田 ぼく自身も現役のころは本当に亭主関白で、妻に変えさせられた一人でしょうか。「いい男」とは縁遠いですが(笑)。
堀田 いい男は変身します(笑)。
安田 妻と、子供三人、お袋の六人家族だったんですが、日本は新聞記者に甘いですからね。社会の中で自分を厳しく見る機会がなかなかないんです。「忙しい」と意識的に思い込んでいましたし、嫁と、しゅうとめの問題にも一切関知しなかった。そんなある日、妻から一言われたんです。「あなたに何かしてもらおうとは思わない。でもせめて愚痴ぐらい聞いてくれることはできないの?」とオ−バーないい方ですが、この言葉でぼくは人生を変えました。