堀田 なるほど(うなずく)。
安田 この会にかかわっている人は一二〇〇人もいますが、それこそ普通の奥さんが老いや高齢社会というテーマだけでなく、憲法や刑法改正問題などいろいろ勉強してるんです。すごいですよ。
堀田 うちでは毎年、ボランティア組織をつくりたい方のための研修会をやっていますが、「学習」というキーワードを明確に挙げたことはなかったですねえ。いいヒントをいただきました。
安田 林竹二さんの『学ぶこと変わること』という本の中に、「生きることは学ぶこと、学ぶことは変わること」という言葉があるんですが、まさにそうした過程での刺激が喜びとなり、それが活動へのエネルギーになると思うんです。
堀田 変わることは成長すること、それが快感になる。喜びを一度知れば、さらに学んでいきますよね。各団体のリーダーと交流しても、最初に比べると、どんどんリーダーたちの社会的な視野が広がっていくんです。成年後見法、別氏別姓、人権、それから国際ボランティア…。着実に自分の活動と結び付けてバランス良く考えていかれます。そういうリーダーは魅力的だし、団体も生き生きしているんですよ。
安田 あと、学びの効果には、もうひとつ「変えさせられる」という要素があるんですね。互いに学び合う中で自然と、あるいは否応なく、変えさせられていく。そんなエネルギーが結集して、やがて行政まで変えていく。「学び」のパワーは本当にすごいな、というのをこの杉並の主婦たちから教えられました。