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「学ぶ」ことで自らが変わり、社会が変わる

堀田 安田さんは、さまざまな市民活動に参加されながら、一方でジャーナリストとして、現場の方々の取材もされています。今回出された『「杉並・老後を良くする会」奮戦記』を拝見しましたが、二六年の長い活動の歴史を豊富なデータと共にわかりやすくまとめられていますよね。迫力がこちらにも伝わってきました。

安田 いやぁ、本にする話をいただいてから、七年かかりました。何度挫折の思いに駆られたことか(笑)。この会は、主婦たちの、親を看取る悔しさや悲しさをエネルギーにして生まれてきたんですが、なかなかその思いを自分のものにすることができなかったんです。どう書けばいいのか、と。

堀田 それで、ご夫妻で杉並に引っ越されたとか。

安田 仕事の関係もあったんですが、住んでみればより思いがわかるだろうと。でも、今度はよくわかり過ぎて、逆に何をどう書くべきか悩んで大変でした。

堀田 市民活動が大きく発展していくためにはいくつか欠かせない要素がありますね。もちろんお金、人集めもそうでしょうが、安田さんがいろいろご覧になってきた中で、ずばり何が一番の原動力でしょう?

安田 ぼくは、学習だと思うんですね。

堀田 ほおー。といいますと?

 

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堀田 力(ほった つとむ)

1934年京都府生まれ。さわやか福祉財団理事長、弁護士。

 

安田 絶えず学んでいこうという姿勢なんです。違った考え方を持つ人同士が、学ぶという共通意識で一つにまとまっていくんです。学ぶことで社会性が身に付くから、みんながより視野の広がった考え方ができるようになる。それが結果的に会の発展を支える。この杉並の会はまさにそうでした。

 

 

 

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