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町を支えるのは人と人とのつながり。共に生きる仲間としての連帯感を生み出したい

それから一〇年。『ふきのとう』の存在は、確実に地域に根付き、今や月平均の活動時間は七〇〇〜八○○時間にのぼる。

また近年は、在宅福祉サービス団体という枠を越え、その活動の輪は多方面にも広がってきている。

たとえば、九二年二月からはじめた老人ホームヘの訪問喫茶もその活動のひとつ。

この喫茶はお年寄りと地域の人たちの交流を目的にはじめた活動で、『ふうちゃん』の愛称で毎周一回ホームを訪れ、手作りのお菓子やお汁粉、くずもちなど一二、三品のメニューを持参し、一〇〇円から一五〇円で利用してもらうというものだ。

「お年寄りが私たちの訪問を、毎月、楽しみに待っていてくれることが励み。私たちも、みなさん元気にしているかしらと、お会いするのを楽しみに出かけるんですよ」と国生さん。

 

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重度心身障害児たちと青年学級のボランティア一同で、公園に散歩。

 

また、昨年からは、市内の小学校の空き教室を利用して、月に二回ほど『喫茶欅(けやき)』を開店。毎回、主婦やお年寄り、子供連れの若いお母さん、定年男性など地域のさまざまな人たちがここを訪れ、菓子やコーヒーを片手にひととき語らっていくという。

「行政の福祉課から、空き教室を開放するから使ってほしいというお話をいただいたとき、当初は、宅老所のような活動をしようかと

 

 

 

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