されたことで、給付水準が高ければ高いなりの一七%、低ければ低いなりの一七%が第一号被保険者の負担とされることになったのである。従って負担が少なければ給付水準も低いのであり、高い給付水準を求めるのであれば負担も多いということになる。低負担なら低福祉、高負担なら高福祉となり、低負担で高福祉というウマイ語にはなりようのない負担構造なのである。
給付水準をどのレベルにするのかは、介護保険事業計画で定められる。そしてそれによって保険料負担の水準が決定されるのであるから、そのプロセスに負担者である被保険者(住民)が参加することはあまりにも当然のことである。衆議院厚生委員会は、介護保険法第一一七条第五項を追加修正して、次のように住民参加への道を保障した。
「市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。」
そして四月二一日の全国担当課長会議で示された、厚生大臣が告示で定める基本指針の概ねの案は、「計画作成委員会等の体制の整備に当たっては、公募その他の適切な方法により被保険者たる地域住民の代表としての参加に配慮すること」と明記された。
"おしつけ福祉"や"おまかせ福祉"の時代は終わりを告げる。市町村と住民が自らの責任において介護施策を選択・決定し、その負担をも決めるのである。負担がいやなら低福祉に甘んじる。高福祉を望むなら高負担を厭わない。自分の住むまちをそのどちらにするのか、それを決めるのは当然にも住民自身であるべきであり、それが住民自治なのだといえるであろう。