<要介護、要支援とはどんな状態?>
● 寝たきり、痴呆、虚弱などが対象
医療保険では、病気やけがをした場合、いつでも、誰でも、保険証を持って医療機関に行くと、一部の負担金で治療を受けることができる。介護保険でも、被保険者証を見せてサービス提供機関に申し込むと、いつでも、誰でも、1割の自己負担で介護サービスを受けることかできるのだろうか。残念なから、そうはいかない。
たとえ本人や家族がどんなに介護が必要な状態だと思っても、保険者である市町村の介護認定審査会が「要介護」状態、または「要支援」状態であると認めない限り、サービスを受けることはできない。介護保険の給付を受けるためには、本人や家族は、まず市町村に要介護認定の申請をする。申請の窓口は、市役所や役場だけでなく、市町村から委託を受けた在宅介護支援センター、社会福祉協議会などにも設置される見込みだ。「要介護」状態の対象になるのは、寝たきり、痴呆などで入浴、排泄、食事などの日常の生活動作に常時介護か必要な人。「要支援」とは、要介護の一歩手前で、家事や身支度などの日常生活に支援が必要な状態である。
厚生省は、要介護状態を「軽度」「中度」「重度」「痴呆」「最重度」、要支援状態を「虚弱」と全部で6つの等級に分けている。「要介護」「要支援」状態の認定と等級判定は、一定期間ごとに見直しをされる。また、見直しの時期でなくても、サービス利用者の心身の状態に変化があれば、等級を変更してもらうこともできる。
● 年齢による制限もある
ところで介護保険の被保険者は40歳以上だ。40歳以上の人で「要介護」または「要支援」状態と認められれば、誰でもサービスを受けることができるのだろうか。65歳以上の人(第1号被保険者)の場合は、介護が必要になった原因を問わずに、介護認定審査会が介護を必要と認定すれば、等級の程度に見合ったサービスを利用できる。。
しかし、40から64歳の(第2号被保険者)かサービスを利用できるのは、「特定疾病」によって介護が必要になった場合に限られてしまう。
この「特定疾病」とは、厚生省によれば「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせる」疾病で、次の二つの基準の両方を満たす疾病を指す。
1]65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40から65歳未満でも発生し、罹患率や有病率が加齢との関係が認められている2]3〜6ケ月以上継続して要介護状態または要支援状態になる割合が高い。アルツハイマー病、脳血管性痴呆など初老期の痴呆、脳出血など脳血箇疾患、パーキンソン病、骨粗しょう症による骨折など15疾病が候補に挙げられている。
このため、40〜64歳で事故に通し、介護か必要になった入などは、介護保険の給付を受けられず、この点が問題になっている。