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○○歳のお年寄りのお世話をする」と答えたという。社会福祉協議会からシルバービジネスまでさまざまな団体が全国各地でヘルパー養成事業をしているが、「若い人ではできない高齢者ならではの共感が伴う介護」「相手が本当に求めるケア」や「できるときにできることをする介護」をめざすという中高年の受講者が多い。また「いつかは自分のためになるから」と参加する人が目立つのも、ここが主催するヘルパー講習会ならではである。

 

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世田谷の講習会風景。最前列では最高齢71歳の女性が熱心に受講。

 

松阪市と川崎市からヘルパー派遣を受託

各地の高齢協がこうした市民たちの意欲をすくい上げるヘルパー養成に力を入れているのはほかでもない。今のうちにホームヘルパーの派遣体制を整えておき公的介護保険のスタートと同時に市町村から介護保険サービスの事業者としての指定を受けるためだ。すでに自治体からホームヘルプサービス供給事業者として事業を委託されたところもある。

一番手は三重県高齢者生活協同組合だ。今年の三月、三重県松阪市からホームヘルパー派遣事業を委託された。九月から登録ヘルパー一一〇人のうち三〇人が、その仕事に携わる予定である。デイサービスセンター建設も松阪市から指定されている。同市の老人保健福祉計画に盛り込まれたニヶ所のうち一ヶ所の運営を受託するため、来年四月オープンに向けて近く着工する。ヘルパー講習会は家事援助中心の三級ヘルパーについては昨年に実施し、今年は身体介護ができる「二級」講習会もはじめる。

「介護保険は完壁な制度ではないが、従来の措置制度と違って、高齢者自身が主体的にサービスを選択できる。そこに我々のような高齢者自身の組織が果たす役割がある。この分野には営利、非営利を問わず多くの団体が参入をねらっているようだが、ほかに負けぬような体制づくりを進めたい(渡部英司事務局長)。

関東では神奈川県高齢者協同組合

 

 

 

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