なサービス事業ができるかどうか、地域の介護ニーズを掘り起こす」(永戸祐三理事長)と大胆な構想を打ち上げている。
そのインフラ整備になるのがホームヘルパーの養成事業である。東京都高齢者協同組合は一九九九年までに一六地域センターで講座を開き、二〇〇〇人のヘルパーを養成する計画だ。養成講座は地域の実行委員会方式で受講料は厚生省認定三級ヘルパーが三万円、同二級が七万二〇〇〇円だが「三〇人の定員に二七〇人も申込みが殺到するときもあるほど」(東京高齢協の話)だという。受講者の顔ぶれは一八歳の男子から八三歳の女性までと多彩である。
八三歳の女性が「百歳老人の介護をしたい」
五月半ばのある日、東京・世田谷区の世田谷郵便局の会議室を借りて開かれた東京高齢協の三級養成講習会をのぞいてみた。郵便局は地域サービスの一環として空き室を業務の支障がないかぎり地域との交流の場として開放しているのである。
主催者である東京高齢協世田谷地区代表の佐藤せつ子さんは、世田谷ふれあい公社が同様の講習会を開いているため参加者が集まるかと心配していたが、「募集告知を載せた区の広報紙が配付されたその日に定員いっぱいになり、四〇人も断りました」と驚いていた。
この日の最高齢の受講者は七一歳の女性。受講の理由を聞くと、こう答えてくれた。
「介護を受けるようなお年寄りは人間的なふれあいを求めています。昔の思い出話に耳を傾けてさしあげると元気を取り戻してくださると聞きました。その程度のことなら私でもできるはずと思ってやってきました。また講習を受けておけば、将来、自分自身が介護される立場になったとき何かの役に立つのではないでしょうか…」
高齢協の組合員と名乗る五〇代の男性は「今は家族に要介護者はいないけれど、ここを終えたら二級の資格も取り、いずれはヘルパーの仕事をするつもり」だという。
町田市の町田健康福祉会館で開かれた講習会には八三歳の女性が参加した。息子に「いったい何歳の方の介護をするつもりなんだ」と冷やかされて、「一