「仕事おこし」をめざして
老後の不安を高齢者自身で守ろうとする高齢者協同組合(略称高齢協)の動きが全国各地で活発になっている。
高齢協とは協同組合の一種で、高齢者自身が必要とする社会サービスや仕事の開拓を行うための非営利団体だ。参加希望者は一口五〇〇〇円の出資金を出し合って組合員になり、事業に参加したりサービスを受けたりすることができる。高齢社会ならではの高齢者による高齢者のための相互扶助も兼ねたネットワーク。お年寄りの働く場をつくるための仕組みとしてはシルバー人材センターなどがあるが、その多くは人材紹介的な機関であるのに対して、高齢協は組合員自身が事業を開拓して従事する「仕事おこし」の自助団体であることが特徴だ。
すでに全国一九都道府県に二〇組合が設立され、出資金を出している組合員の総数は今年の四月末現在で一万三五一六人、組合設立趣意書に署名した協力者を含む賛同者は四万八〇四〇人に達している。設立を指導する日本労働者協同組合連合会は、このほど秋田市で開いた第一九回総会で、公的介護保険がスタートする西暦二〇〇〇年に向けて、高齢協を軸に地域福祉事業に力を入れるという方針を打ち出した。すでに五月には宮崎県で、六月には秋田県で新たな高齢協が設立され、一一月には宮城県でも旗揚げするほか岩手、群馬、石川、広島、徳島、鹿児島など一一県で設立準備が進んでいる。「二〇〇〇年までに全都道府県に高齢協を網羅したい」(永戸祐三労協連理事長)。
二〇〇〇年までに二万人のヘルパーを養成
国の新ゴールドプランでは二〇〇〇年までに一七万人のホームヘルパーを確保することになっているが、日本労働者協同組合連合会は「その年までに二級、三級含わせて二万人を養成し、そのうち一万人が就業できるようにしたい。中学校区ごとに高齢者の居住形態を住民台帳と訪問調査によって割り出し、どん