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はそれじゃあ、困る。ですから、患者さんが安心して家で暮らせるよう、医療機関を結ぶシステムづくりが急務。そのために、今年二月には『あけぼの在宅医療研究所』を設立して、これまで当院を手伝ってくれた先生に、新宿区内の反対側(落合地区)で当院同様の在宅専門のクリニックを開業してもらい、この二つのクリニックの間で、医療従事者や医療事務、システムの共有化などを図りながら、さらには他の在宅医療を行うクリニックとの連携をめざしているところなんです」

 

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クリニックの壁には、各地区に散らばる患者の氏名が張られていた。

 

患者さんの姿を通して、生きる意味を教わった

こうして、英医師の話を聞いていると、在宅医療にかける彼の熱い思いがビンビン伝わってくる。だが、この道に進んだきっかけは、拍子抜けするほど現実的だ。

「ある医師から、"世の中では在宅医療の要望が少なくない"と聞かされて、在宅医療なら開業資金もかからないし、自分一人でもできるし、なんとなく

 

 

 

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