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巻頭言 No.20

 

いくつかの難問

● さわやか福祉財団理事長 掘田 力

 

この間、岡本祐三さん(神戸市看護大学教授)、村田幸子さんとあるパネルで一緒になった、お二人とも、人生の達人だから、私は、それまで答えが出せないでいた二つの問題について、ご意見をうかがった。

一つは、両手の不自由な男性障害者の性欲処理の問題である

「マスターべーションを手伝ってくれといわれて戸惑っているボランティアがいるんですが、どう答えたらいいでしょうかねぇ」

「いやなことは断ればいい」と村田さん。

「ソープランドに連れて行ってあげるのはいいでしょう」と岡本先生はおっしゃる。

「しかし、そういうお店の存在を肯定するのは抵抗がある人が多いんじゃないですか。特に、女性は」

私自身にも抵抗感がある。

「それじゃ、道具ですよ。女性の身体の形をした道具が売られてますよ」

「えーっ、そんな道具があるんですかァ」と村田さん。ダッチワイフのことか?私は、たちまち道具説に賛成した。

「も一つは、結婚を申し込まれてる独り身のボラン

 

 

 

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