-馬小屋長屋-
岡崎城見物もそこそこにそのまま国道1号へ。煙のような雨の中、脇目もふらず只々歩く。たっぷり2時間以上。広々と畑が続き、雨と汗がゴチャ混ぜになった頃、グッタリと知立に突入した。「池鯉鮒」は馬市の図、ここで「駒場町」へと右折。花屋の入口で(後で冠婚葬祭業と知る)何となく尋ねると、中からご主人、行動派と見え先の寺を指さし、説明しながらボクの先を歩き出した。この馬頭(ばとう)観音寺を元に周りの原で比較的近年まで馬市があったとのこと、面白いのは市(イチ)の時代の馬小屋か現在、そのままにアパート風民家に変わっていた。ご主人は土地の名士らしく行き交う人に手をあげる、そして「ウチでお茶を飲んでいけ」という。頭の中はアッツイ番茶が…。あれッ、茶道の茶だ、菓子まで付いてる。ノドの渇きにボクは片手で一気にズルズルと飲んでしまった。