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ここが問題

 

 

介護保険を男女共生社会を築く第一歩に!

大阪外国語大学 講師 斉藤 弥生

 

介護は今まで「シャドーワーク」であった。精神的負担、肉体的負担が重く、しかも無償。大きな労働を担っていながら、労働基準法にも守られない、孤立無援の労働者…これが在宅での家族介護者だったのではないだろうか。またその家族介議者の八割を女性が占める。

介護保険制度によって在宅介護の中心が、家族介護者からホームヘルパーに移されていく方向性が示された。課題山積の中での船出となりそうだが、試行錯誤をくり返しながら、より理想に近づけていくことが大切である。

 

介護の外部化とホームヘルプ〜家事援助→身体介護→初期医療へ〜

スウェーデンはノーマライゼーションの理念を実現するために発展してきたのが、在宅福祉の要"ホームヘルプ"であった。

スウェーデンの一九五〇年代は高齢化率も一〇%程度で、介護の家族責任がまだまだ大きかった。身寄りのない高齢者が施設に収容されていた。高齢化率の上昇とともに、施設批判が高まり、地域の主婦たちの手で在宅福祉のボランティア活動がはじまった。

 

 

 

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