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公的介護保険 入門講座 No.3

 

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<受けられるサービスの範囲は?>

 

● サービスの範囲には上限がある

初回で簡単に説明したが、介議保険で受けられるサービスは、「在宅(居宅)サービス」と「施設サービス」の二つに大別される。まず、ホームヘルパーによる訪問介護やデイサービス、ショートステイなど、自宅で暮らす人が受けられる在宅サービスは12種類。また、特別養護老人ホームなどへ入所、入院できる施設サービスが3種類となっている。

ただし、もちろんこれらは無制限には利用できない。「要介護度」(厚生省は現在?〜?までの6段階にランク分け)に応じて、使える範囲(金額)が決められている。たとえば在宅の場合なら、要介護度か低い、「虚弱」の場合、1ケ月に受けられる介護サービスの総額は6万円程度、十分な介護が必要な「最重度」のケースなら、23万〜29万円程度といったところ。一方施設サービスの場合は、特別養護老人ホームが1ケ月29万円程度、老人保健施設なら32万円程度までのサービス(食事、排泄、入浴介助、おむつ交換、機能回復訓練、看護など)が受けられる。

しかし、これらはあくまでも厚生省が試算した目安。案はまだ個々のサービス単価、介護報酬の金額も決まっていない。介護保険発足当初は、自治体によっては基盤整備が追い付かず、結果として、利用可能なサービスの種類や総額が低く押さえられる場合も考えられる。現段階で論じられている一応の単価を見積ったとすると、たとえばホームヘルプが1時間約3000円、訪問看護は1回8000円ほど。これら個別の介護単価を見て、決定された範囲の金額でサービスを選択することになる。ただしいずれの場合も介護保険では、利用金額の1割は自己負担ということを忘れずに。

 

● 市区町村独目の給付もある

(例)A子さんは80歳。自力で室内を歩けず、食事、排泄いずれも介護が必要。介護保険の申請をして要介護度?の認定を受けた。介護サービス総額は約25万円。在宅サービスの中から、ホームヘルプサービスを1日2回30分ずつ、デイサービスを週3回、訪問看護週2回、ショートステイを2ケ月に1回依頼することができた。しかし一人暮らしのAさんは配食サービスも望んだが、これは介護保険の給付対象に入っていないので却下されてしまった-。

このように介護保険では基本サービスの種類が一定の範囲で決められているが、一方で市区町村の独自の裁量も認められている。提供サービスの種類を追加したり、決めらたサービスをより多く提供するというもので、各々「横出しサービス」「上乗せサービス」と呼ぶ。自分の住んでいる市区町村で受けられるサービスがどの範囲までで、いくらで提供されるのか、これからしっかり関心を持ってチェックしてしいくことが必要だ。

 

 

 

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