日本財団 図書館


「空知管内の奈井江、浦臼、新十津川、上砂川、雨竜の五町と歌志内市は十六日、二〇〇〇年度から導入される公的介護保険制度で、介護認定審査会を広域で設置することに基本的に合意した。道内で初めて。早ければ六月の各市町の定例議会で正式承認される見通し。介護保険では、介護認定審査会が要介護度を審査、認定し、段階に応じてケアプランなどを作成してサービスを提供する(後略)」

 

036-1.gif

奈井江町の老人保健施設「健寿苑」でリハビリをする高齢者たち

 

被保険者が保険の給付を求めると、市町村はその人がどの程度の介護サービスが必要かを判定する。それを実際に行うのが介護認定審査会だ。介護認定審査会を広域的に設置するというのは、本来なら五町一市がそれぞれ一つずつ独自に介護認定審査会を持ち、合わせて六つの審査会ができるはずのところを、そうせずに、一つの審査会にまとめて共同運営するということ。各市町村が抱える優秀な人材を出し合うと同時にひっ迫する市町村財政の負担を一銭でも軽くしようというねらいである。

協議会の試算によると、単独設置の場合、その経費はおおむね一自治体当たり平均二三〇〇万円に達し、半額が国庫補助になるとしても一一五〇万円を一般財源で負担する計算だが、広域設置なら一自治体の負担額は三〇%程度に押さえられる。

こうしたメリットを引き出すために協議会が考えている手段が広域連合だ。すなわち、五町一市は介護認定審査会の設置をはじめとする介護保険事業も広域連合によって共同運営しようとしているのである。いってみれば広域連合は市町村のジョイントベンチャー。しかも今回のように、県などの指導を受けず市町が独自に立ちあげる"草の根連合"は全国でもめずらしい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION