市民団体の中には、行政側の人間がかかわると行政に取り込まれてしまうのではないかと、敵視とまではいかないまでも強く一線を画したり、あるいは逆に、行政との連携を望んでも、なかなか叶わずに苦慮するケースは多い。しかし『ハートフル・みやしろ』の場合は、福祉課長の井上さんが発起人ということもあって、あくまでも独立した市民団体でありながら、当初から行政や社協との密(・)な連携を持ったことが特徴的だ。
また、設立に向けての準備もかなり計画的なもの。既発の会員制互助団体『流山ユー・アイネット』(干葉県)を二度ほど訪問し、コーディネートの手法や事務所の運営方法、帳票類作成などのレクチャーを受けたほか、準備資金をつくるためのバザーも実施。さらに事務所に必要な事務机や印刷機、その他の備品も、新たに購入することなく自分たちで集めてきたという。
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