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学校ボランティア

 

 

さまざまな体験学習を通して、主体的な児童を育てる

東京都台東区立済美小学校 教頭 石井 清保

 

本校は、児童数一一二名の小規模校です。近くに隅田川、浅草寺があり、下町情緒あふれる町の中にある学校です。PTA、地域の方々がとても学校に協力的で、児童のためならと快く進んで何でもやってくれるすばらしい地域です。

今まで、児童の教育は学校がすべてを背負い込み、孤軍奮闘してきた嫌いがあります。三年前学校を地域に開き、家庭や地域の人々と共に児童を教育しなければいけないと考えました。自然や社会の体験学習を核とした授業を展開し、主体的に学習する児童を育てようとしました。それを具現化したのが、地域の人々との交流である『ボランティア学習』流山市での『農業体験学習』です。さらに、地域の教育力を生かした『ふれあい学習』、外国人の講師による『国際理解クラブ』も実践してきました。

これらの狙いは二つあります。一つは、体験を通した学習は、児童が興味、関心を持って、主体的に学習することができることです。二つめは、友達、教師、地域の人々など、さまざまな人と交流することによって、社会性が身に付き、社会の一員としての自覚、さらにみんなに支えられて生きているという喜びを感じることができることです。

本校の『ボランティア学習』を中心にご紹介します。

 

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土に触れ、温かい人のぬくもりに触れ、子供たちに笑顔が広がる。(流山畑のジャガイモ掘り)

 

『ボランティア学習』

特別養護老人ホーム「蔵前」に、一〜四年生が交互に毎月訪問して、歌や踊り、朗読や劇、音楽を披露しています。その後、お年寄りと話したり、ゲームで遊んだりして楽しく過ごします。児童の感想を紹介します。

● 「夕焼け小焼け」を演奏した時、懐かしそうに聞いたり、歌ったりしている人がいました。ぼくはうれしくなって、心も踊り出しそうになりました。

● ボランティアは人の心を明るくするだけではなく、自分の心も豊かにするんだなと思いました。

 

 

 

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